保護者として最低限知っておきたい受験情報

相対評価から絶対評価に変わったことによる影響

親世代の通知表(学校の成績)は相対評価で行われていましたが、現在は絶対評価に変わっています。このことが高校受験に与える影響についてまとめました。

 

どちらの評価が良い悪いという話ではなく、受験への影響に絞ってポイントを記載しています。

 

相対評価、絶対評価とは

相対評価では、成績で「5」「4」「3」「2」「1」をつける割合が決まっています。
具体的には下記の通り。

  • 「5」… 7%
  • 「4」…24%
  • 「3」…38%
  • 「2」…24%
  • 「1」… 7%

このため「できる子」が多いと成績は低くなりますし、反対に「出来ない子」が多いと成績が高くなります。集団の中の順位で成績が決まるからです。

 

これに対し本人の理解度を重視するのが絶対評価です。

 

それぞれの成績に対して基準を設け、その基準に達すれば何人でもその成績をつけるという考え方です。基準に達しなければ、順位に関係なくその成績はつけません。

 

このため、みんな「5」の可能性もあれば、みんな「1」の可能性もあります。
実際には、ここまで極端なことはありません。

 

ただし、相対評価のときとはあきらかに違いがあります。

 

「5」の価値が受験で低くなった

絶対評価で、そのぞれの成績がどのぐらいの割合でつけられているのかは各地の教育委員会などが公開しています。平成29年度の東京都(中学3年2学期)では下記の通り。

 

絶対評価による成績別割合
成績4以上
英語14.4%22.3%36.7%42.8%16.5%4.0%
国語11.4%25.4%36.8%48.4%11.9%3.0%
数学13.1%22.7%35.8%44.8%15.1%4.3%
理科12.5%23.4%35.9%46.9%13.8%3.3%
社会13.7%23.4%37.1%44.6%14.9%3.4%
音楽12.3%26.7%39.0%49.2%9.2%2.5%
美術10.8%27.1%37.9%51.0%8.6%2.5%
保健体育8.8%27.9%36.7%53.0%7.9%2.4%
技術・家庭10.5%27.2%37.7%50.5%9.3%2.4%
9教科全体11.9%25.1%37.0%47.9%11.9%3.1%
相対評価7.0%24.0%31.0%38.0%24.0%7.0%

(出所:東京都教育委員会「評定状況の調査結果について」)

 

英語で見ると、相対評価では7%しか成績の「5」がつく生徒がいませんが、絶対評価では2倍以上の14.4%が「5」というわけです。

 

相対評価の7%というのは、14人〜15人に1人の割合です。30人学級なら2人しかつかない成績です。これが絶対評価では、その倍以上になるというわけです。

 

保護者の感覚では「」を取れたというのはスゴイことかもしれませんが、いまの絶対評価ではそれほどでもないということは覚えておいてください。

 

ここを勘違いしてしまうと、志望校を決定する判断が間違ってしまうことになります。

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